私たち便利屋・東京福祉住環境研究所のメンバー数名は、長年の交流のあるボランティア仲間のSさんが住む千葉館山に来ています。
猛威を振るった令和元年台風第15号ですが、関東にも近年稀に見る台風被害をもたらしました。
私たちが到着したのは木曜日でしたが、Sさんから聞いた話では、日曜日の夜中に停電になって以来、スマホはどうにか車で充電出来たものの、パソコンはバッテリー切れで何も出来ない状態だったそうです。Sさんの地域では停電だけですが、他の地域では水も止まっている地域があるとの事で、停電3日目辺りでは暴動が起きるのではないかとSさんも心配していました。ガソリンスタンドも今でこそ落ち着いてきたものの一昨日までは長蛇の列が出来、スーパーでも品薄の状態が続いていました。
それでも一昨日あたりから、徐々にスタンドも落ち着きをつり戻し、スーパーも品物が充実しつつあります。
停電や断水が今もなお続く館山ですが、Sさんの地域では、やっと電気が復旧しました。
といっても同じ館山でもまだ1万件ほどは復旧しておらず、引き続き不便な生活を余儀なくされている方々がいらっしゃるので、手放しでは喜べません。ニュースでは全面復旧にはまだ時間がかかるという事ですが、現地では情報が交錯しており、地域の皆さんは不安を抱えた日々を送ってらっしゃいます。
ボランティアの参加要綱は各自治体によって違うようですが、館山市においては、千葉県内もしくは近隣に住んでいる人のみとなっています。残念ながら直接ボランティア活動はできませんが、Sさんをとおして間接的にお手伝いをさせて頂いております。
Sさんのボランティアのネットワークを頼りに、一人暮らしの高齢者の家庭に訪問し安否確認をして廻ります。私たちでさえ長期間の停電で参っているのに、高齢者の方の体力の消耗は想像して余りあるものがあります。長期間の停電で冷蔵庫の中の食品は壊滅状態。断水地域ではお風呂に入れず、トイレに流す水もままならない状態です。強風で飛ばされたトタン屋根や屋根瓦が散乱している有様。また、どこかへ飛んでいってしまった物の捜索も高齢者の方には大変な負担になります。残暑が厳しいこの季節で、冷房のない過酷な環境は命の危険に直結するだけに深刻です。
私たちが到着した時には、役所にボランティアの人たちが集まり始めていました。台風被害により屋根瓦が飛ばされたり、家屋の窓ガラスが割れるという事例が多いことから、被害家屋の復旧を手伝って頂けるボランティアを募集しているようです。私たちもSさんのご自宅に宿泊させて頂きながら、地元のボランティアのSさんに同行するという形でお手伝いをさせて頂いております。
訪問した老人ホームでも、停電の影響で厨房の設備などが使えないために入所者の食事が作れないという状況が続いています。職員への負担も大きくなりつつあり、ホームの状況は深刻です。
今の急務は、屋根の応急措置という事で次に来る風雪に備える事が最優先となっています。ニュースでは天候は下り坂に向かうとの事で時間との闘いでもあります。地元の若い人たちも続々とボランティアに参加してくださり、少しずつではありますが、町全体が落ち着きを取り戻していっているような気がします。
当初、東京から持ち込んだ、飲料水・調理不要の食料・ウエットテイッシュ類・ブルーシートなどもあっという間になくなり、先行きが不安でしたが、つい先ほども、先に訪問したグループホームから電気が復旧したと連絡があり、明るい兆しが見えてきました。
NHKのニュースサイトによると、
千葉県での停電が長期化するなかで、復旧が最も遅くなるとされる自治体のひとつ館山市は、高齢者などの体調悪化が懸念されるとして、市内の宿泊施設に一時的に避難してもらう検討を始めました。
千葉県館山市では、停電が20日間にも及ぶ可能性があるとされ、おおむね復旧するのは、県内で最も遅い今月27日とされています。
これを受けて館山市は、ひとり暮らしなど、体調の悪化が懸念される高齢者を、市内のホテルや旅館などに一時的に避難してもらう検討を始めました。
市によりますと、台風による被害が深刻で、停電が長期化するおそれのある海岸沿いの地区ほど、高齢者の割合が高く、避難所に行かずに自宅で生活を続けている人が多いということです。
市の観光協会によりますとこれまでに、加盟する70あまりの宿泊施設のうち5か所が、受け入れが可能だとしているということです。
引用元: NEWS WEB 千葉県災害関連情報
とありました。やっと高齢者の方への支援が本格的になったようでほっとしています。
市内のいたるところに残る台風の爪痕。
エアコンが使えない中、熱中症で倒れる方もいらっしゃると聞き及んでいます。これ以上の健康被害を増やさない事が急務だと思います。
とにかく、高齢者の方のためにも、一刻も早いライフラインの全面復旧を待ち望んでいます。
天候の確認は、気象庁(国土交通省)ホームページでご確認ください。
なお、住民の方のお気持ちを考え、被害の様子をSNSにアップする事は控えさせて頂きます。